後藤見聞録

2019/05/10

道具、ではない。

よく聞かれます。
「いいカメラやけん、写真がうまいんやろ」
と。

答えは正解であって正解ではないと思っています。
(写真のうまい/へた、の部分ではなく)

いいカメラを買って覚悟を決めて(だって下手したら中古の車あっさり買えるけんね!)様々な撮影を経験し、撮りたいものとそれを撮るための技術の溝を埋めては拡がり、を繰り返しながら身についていくものだと思っています。
だから、いいカメラを買って写真を楽しむことで誰かの心を動かす表現ができるようになる、という意味では正解です。

ただ、まるで金を出していいカメラを買えばその日から写真がうまくなるんだろうと言わんばかりのニュアンスで聞かれることもあります。
これは、直球で、否。
グランドピアノを買ったらその日からショパンやリストを弾けるようになるわけではないのと同じです。


この写真、スマホ片手に秒で撮った残念な一枚です。
お客様のいない一瞬だったのでこれしか撮るタイミングがありませんでした。


で、これ、同じ写真をスマホで整えたものです。
フォトショップとか使ってません。
スマホの画像加工アプリです。

要するに、何をどうすれば自分の思う画像になるか、を自分なりにセオリーとして積み上げていくこと、そのバリエーションや基本的な構図を学ぶことに、いいカメラで撮影してきた経験が活かされるのだと思います。

まぁこの画像の処理くらいそんな威張るようなものでもないですが、技をお持ちの方に、道具がいいんでしょ、と言うのはとても失礼ですよ、というお話でした。