後藤見聞録

[北九州市立美術館]市政55周年記念 ジョルジュ・ルオー 聖なる芸術とモデルニテ

先日、会議と会議の間に、北九州市立美術館本館でルオー展を観てきました。
幼い頃から父に連れられて、特別展のたびに通った美術館です。
当日は土砂降りだったので、一昨年前、大規模改修を経てリニューアルオープン直後にお邪魔した際の外観を。言わずと知れた磯崎新建築の代表作です。

丘の上の美術館は、上がっていくまでがとてもドラマティック。

早速ルオー展へ。同館コレクションの≪道化師≫が入っていないなと思ったら、コンセプトがまったく違いました。
第一次、第二次大戦を通してルオーが常に対峙しつづけてきた「生きる」ということへの苦悩がテーマ。何度も何度もキリストを描き、キリストにまつわる事物に触れながら、徐々に色彩を帯びた作品に変化していく様子が時系列でわかります。作品そのものもそうなんですが、ぜひ作品のタイトルもじっくり見て欲しいです。日本語訳なので少し意訳もあるかとは思いますが、QOLが叫ばれて久しいこの時代では考えられない、「生きる」「生きている」ということの意味とひたすらに向き合ったルオーの叫びがこめられています。
毎日仕事に追われながらも楽しく生きていられるこの時代に生まれ落ちた自分の境遇について、とても考えさせられました。

そしてリニューアルした喫茶へ。幼い頃から何十回と父に連れてきてもらった同館の楽しみのひとつが、千草ホテルが運営するこの喫茶。
喫茶までのアプローチ。


相変わらずアプローチも内観もステキなだけでなく、カウンターができていて、コンセントまであって感激✨
近くにあったら絶対打ち合わせも作業も通いつめるに違いない。あぁ北九州市民がうらやましい‼️
雨だけど、仕事でわさわさ作業せねばならずPCとにらめっこだったけど、とても穏やかな時間を過ごすことができました。

ルオー展は2/17(日)まで。ぜひおでかけください。喫茶にも寄ってみてくださいね。