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2022/10/13

【出版】「離島を楽しむ 五島列島」

なんと、自分の名前で、書籍が発売となりました…

「離島を楽しむ 五島列島」

もうこの時点で、「いつ棺桶に入ってもいいかな」と思うほどに感無量です

というのも、実は版元の「辰巳出版」さんの企画として、2019年の夏頃に立ち上がったお話でした
まわりまわって私のところにお話を頂き、ちょうど「リヒテンシュタイン展」の渋谷開幕に向けて上京していた折、初めてお打ち合わせをさせていただきました
そう、頃は2019年10月…今から3年前です

後藤「島は春から夏にかけてが一番キレイなんですけどね」
担当「とはいえ、やはり夏には出版したいので…」
後藤「ですよね…あったかくなりはじめたら取材行きましょうか…」

そんなこんなで、長崎県庁にもアポをとり、各島にも取材協力をと動き出した2020…
そう、アレがやってきたんです

コロナ。

もう、取材どころではない…
これはなかなか東京の方々にも伝わりづらく、最初私もカメラマンも苦労したのですが、
「移動するリスク」の意味が違うんですね

通常、移動先でコロナに罹患する可能性を考えることが多いかと思いますが、島の場合は勝手が違います
「福岡からきた」というだけで、めちゃくちゃ嫌な顔をされる可能性があったのです
そう、島は基本的に無菌状態ですから、夷狄(みたいなもんです)の侵入は恐怖でしかありません

実際、宇久島の観光協会の方からは
「持ち込まれると、島のライフラインが止まるんですよね…」
と言われました

船が来ない、つまり、物資が来ない、生活が滞る
もちろん、流通も止まるので、島からの産品も出荷できない
この感覚は、本州や九州にいてなんだかんだと移動できてしまう我々とは随分違いました

と、そんなことを2年繰り返し…こりゃいつ出版の話そのものがなくなっても致し方なしと思っていたのですが…

担当「後藤さん、今年こそは…」
後藤「ですよね…」
そう、担当の小林さんは、粘りに粘って待ってくださったのです(本当にありがとうございました…私のせいではないとは言え、社内での調整も大変だったかと思います)

と、緊急事態宣言なのか非常事態宣言なのか県の発令なのかわからないものが「解けた」4月末と5月末、二度に渡り、恐ろしい行程で取材してきました
一緒に約10日間を駆けずり回ってくれた、カメラマン・田中紀彦氏(Studio Red Star)には感謝と深謝を何度繰り返しても足りません

そして取材で大量に得た情報を、まとめる作業がまた…1ページあたり500~800字と、普段なら15分とかからず書ける分量なのですが、史実を調べ、誤りがないかを確認しつつ書くと、2~3時間があっという間でした
また、近年WEB原稿に慣れ切っている脳内が、改行キーを叩きまくる癖になっておりまして、これは紙原稿にするとかなり間延びして読みづらいんですね、ということを懐かしく感じながら、禿げそうになりつつ書き上げました
書籍の内容にもよりますが、こんなに大変な作業をして本を出されている、全世界の方々を今一度尊敬申し上げます

ということで、3年という長い長い旅を終え、生まれ落ちた可愛い我が子です
一人でも多くの方に、五島列島という島々の輪郭を、今よりくっきりはっきりととらえて頂けるものになれば幸いです

おまけ

表紙の場所は、新上五島町は頭ヶ島という島から、頭ヶ島天主堂を麓にして海沿いに中通島北部や小値賀島、野崎島をのぞめる素敵なポイントです
頭ヶ島天主堂の取材を終え、「これ、一望できる場所があるはず!」とポイント探しを始めた後藤とカメラマン
「ここや!」と叫んで撮った写真が表紙になり、そんな我々の様子を同行していたスタッフが撮ってくれた写真が以下となります(笑)
そしてこの場所には、ガードレール脇に小さな小さな「絶景スポット」の看板が(笑)
いいのだよ、自力で見つけたことにかわりはないのだ!

取材にドレスコードはないのですが、だいたいこういう恰好になりますね…